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生理前の不調 - 月経前症候群(PMS)/PMDD

生理前のツライ症状

生理の前になると心身の変調を感じる人は多いのですが、症状が軽くて、つらく感じない程度なら大丈夫。でも、生理の前に決まって不快な症状があらわれて、とてもつらく感じたり、日常生活に支障をきたしたりするほどになると、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。
また、PMSのうち、ココロの症状が特に重く、日常生活に支障をきたす場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれ、医学的な治療が必要になります。

月経前症候群(PMS)とは?

生理の前になると決まって不快な症状が現れ、日常生活にまで支障をきたすことを月経前症候群(PMS)といいます。多くの場合、生理が始まると症状が軽くなり消失するのが特徴です。また、症状があっても比較的軽く、日常生活に支障のない程度のものは、月経前症候群(PMS)と診断されないこともあります。
月経前症候群(PMS)のおもな症状は、下腹部の痛みや膨満感、乳房の痛み、肌トラブル、むくみ、頭痛、めまい、肩こりなどの身体症状と、イライラや情緒不安定、憂うつ感、注意力の低下、睡眠障害といった精神症状があります。 生理が始まる1週間前から症状が現れる人が多いのですが、2週間前から症状が現れる人、2、3日前に集中する人など個人差があります。

月経前不快気分障害(PMDD)とは?

月経前症候群(PMS)の症状のうち、ココロの症状が特に悪化して日常生活に支障をきたすような症状を月経前不快気分障害(PMDD)といいます。うつ、気力の減退をベースに、絶望感にとらわれたり、涙がとまらなくなったりする人も。
反対に、イライラしたり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりする人もいて、感情のコントロールが難しくなります。感情の爆発を周囲にぶつけると、人間関係や社会活動にも支障をきたすことにもなります。

PMS、PMDDの症状があらわれる時期

生理の1週間くらい前から始まり、生理が始まると間もなく消失する 。

A生理の1週間くらい前から始まり、生理が始まると間もなく消失する 。

排卵直後から始まり、生理が始まると間もなく消失する。

B排卵直後から始まり、生理が始まると間もなく消失する。

「A」に加えて排卵前後にも症状が見られる。

C「A」に加えて排卵前後にも症状が見られる。

排卵直後から始まり、生理終了まで症状が持続する。

D排卵直後から始まり、生理終了まで症状が持続する。

出典:主婦の友社「月経痛と月経困難症」(P45)

PMS、PMDDの原因って?

月経前症候群(PMS)、PMDDの発症には、生理前に増加する女性ホルモン、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響が指摘されていますが、はっきりとした原因は解明されていません。もう一つの女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)とのバランス異常という説もあります。さらに、最近では、感情に関わる神経伝達物質の量や働きに、これらの女性ホルモンが影響を及ぼして症状が現れるのではないかという説も出てきています。

PMS・PMDDチェックリスト・PMS症状日記

生理前になると決まって次のような症状が出る人は、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の可能性があります。
あてはまるものがないかセルフチェックしてみましょう。
また、自分の症状の日記をつけることもおすすめです。記録をつけるとみえてくるものがあります。

カラダの症状
  • 下腹部が張る、痛む
  • 乳房が痛む
  • 肌荒れ、ニキビに悩まされる
  • 頭痛、肩こり、めまいがする
  • 身体や顔がむくむ
ココロの症状
  • イライラして、キレやすくなる
  • 不安や緊張感が高まる
  • 気力がなくなり、落ち込む
  • 食欲が異常にあるorまったくなくなる
  • いつもに比べて能率が低下する
  • よく眠れないorいつでも眠い
  • 気分が不安定になり、衝動的になる
  • わけもなく涙が出る

一人で悩まず、治療を受けましょう

日本では月経前症候群(PMS)、PMDDの認知度が低く、一人で悩んでいる人も少なくありません。症状を客観的に受けとめ、つらさを少しでも軽減するために、婦人科の受診をおすすめします。特にPMDDによるイライラやうつは、あなたが悪いのではありません。周囲の人を傷つけないためにも病気を治療して、本来の明るいあなたを取り戻しましょう。