婦人科受診の流れ
女性をトータルにケアしてくれる「婦人科」
婦人科とは、女性のからだを専門的に診る診療科目。
月経困難症などの病気はもちろん、思春期のニキビや更年期のココロとカラダの不調まで、幅広く診察します。生理痛がつらい、イライラがおさまらない、不正出血がある、そんなカラダの不調を少しでも感じたら、まずは気軽に婦人科を受診しましょう。
診察と検査を知って、リラックスして受診
どんな診察や検査をするのか分からないと、あれこれ考えて不安がどんどん大きくなってしまいます。
問診から診断までの流れを事前に知って、安心して受診しましょう。
婦人科だからといって特別な診察はありません。腟の内部を診る内診も、はじめは緊張するかもしれませんが、おなかに聴診器をあてて様子を診るのと同じこと。
恥ずかしがらずに、医師とコミュニケーションをとりながらリラックスして受診しましょう。
婦人科受診の流れ
受診の前に
受診する婦人科を探す
家から近い、職場から近いなどの希望を元に検索してみましょう。
前日のセックスはひかえる
内診の妨げになることがあるので、ひかえましょう。
化粧はひかえる
貧血など、顔色や爪の状態から症状をみる場合もあります。できるだけ化粧やマニキュアはひかえましょう。
問診で伝えたいことを整理
問診の時にすぐに思い出せない場合もあるので、医師に伝えたい症状のことなど、事前に整理して書き出しておきましょう。
外陰部を清潔に
受診の前はシャワーなどで外陰部を清潔にしましょう。ただし、おりものなどの状態を診ることがあるので、腟の中は洗わないようにしましょう。
受診しやすい服装
着替えがしやすい、シワにならない服装が良いでしょう。ゆったりしたスカートやソックスなら、はいたまま内診台にあがれます。
診察
問診
生理周期、生理の日数、最終の生理日、初経の年齢、性体験の有無などを質問されます。
答えにくい質問もありますが、診断に必要な内容なので正確に答えましょう。
触診
腹部にしこりがないかなど、医師が手で触って確かめます。
内診
医師が手袋をつけて腟内に指を入れ、子宮や卵巣の様子、圧迫による痛みの有無などを診察します。
力を抜いてリラックスして受ければ2~3分で終了します。
内診台
内診の姿勢
触診の様子
出典:池田書店「からだのことがよくわかる 女性の医学」(P37)
症状によって、検査を行います。いくつかの検査を組み合わせて、総合的に調べます。
検査
尿検査
尿を採取して、妊娠の判定やホルモンの状態、細菌の有無などを調べます。
血液検査
血液を採取して、腫瘍が良性か悪性かを判断するための腫瘍マーカーの測定や、ホルモンの状態、貧血の有無を調べます。
細胞診
子宮頸部の細胞を綿棒などで採取し、がん細胞などの異常細胞がないか調べます。
培養検査
綿棒でおりものを採取し、培養して細菌や微生物の有無を調べます。
子宮鏡検査
子宮の中に小さなカメラを挿入して、筋腫、ポリープの有無や状態を観察します。
超音波検査
超音波をあてて、からだの中を画像として映し、子宮や卵巣などの様子を観察します。超音波を発する探触子(プローブ)をおなかにあてる経腹法と、細い棒状の探触子(プローブ)を腟内に入れる経腟法があります。
子宮の画像
探触子の種類
経腹の探触子。おなかにジェルを塗り、その上に探触子をあてて画像を映す。
経腟の探触子。内診台の上でおこなうことが多い。腟にスッと入り、痛みはない。
出典:講談社「子宮、卵巣の病気と治し方」(P26)
CT検査>
エックス線で撮影したものをコンピュータで画像処理し、腫瘍の状態などを調べます。
MRI検査
磁気を利用して、からだの内部をあらゆる方向からの画像にし、子宮や卵巣などの状態を調べます。
自分で希望して受けたい検査[がん検診]
子宮がんや卵巣がんは初期に症状が出ないことが多く、知らないうちに進行していることも少なくありません。でも、早期発見、早期治療すれば治る率も高い病気なので、最低でも年に一回は婦人科でがん検診を受けましょう。