生理がつらくて推し活に集中できない!
好きなことをもっと楽しむための秘訣
勉強や部活も大切だけど、趣味も全力で楽しみたい!学校の友達と一緒にはまっているのは、男性アイドルを推すこと。やっとの思いで当たった推しのライブなのに、生理の予定日と重なる可能性が…!せっかく、うちわも友達とおそろいの新しい洋服も準備したのに、痛みで楽しめないなんて困る!せめて生理痛だけでも軽くする方法はない?
なんで今日?!ライブ参戦日の生理で困ること
生理痛がつらくてライブに集中できない
生理痛がつらいと、推しの姿を見たり、大好きな曲に心をときめかせることができません。ほかにも、ジャンプなどの激しい動きができなかったり、立ってうちわを振るのさえしんどいなんてことも。ライブを全力で楽しむと決めていたはずが、痛みが邪魔をして「早く帰りたい」とかんがえてしまうかもしれません。
物販に並ぶのがしんどい
生理痛によっておなかや腰が痛いと、ライブの物販に並ぶのもしんどいものです。会場によっては1~2時間外で並ぶこともありますが、生理中に立ちっぱなしですごすのは、普段よりも体の負担になります。そのため、途中で体調が悪化しないか心配で、物販をあきらめたことがある人もいるのではないでしょうか。
漏れが気になってかわいい洋服が着られない
生理中は、白の洋服やスカートを着るのが不安という方も多いでしょう。ライブ用に友達とおそろいのかわいい洋服を買ったのに、生理が重なって、予定と違う地味な服を着るのは悲しいものです。「本当なら、おそろいの服で写真を撮って、思い出がもっと残せたのに」と、後悔につながる可能性もあります。
生理用品で荷物が増える
ただでさえうっとおしい生理ですが、生理用品で荷物が増えるのも悩みの種。ライブは1日丸ごと拘束されるので、出血が多い日だと、ナプキンの枚数がどんどん増えてしまいます。また、トイレに行ける回数も少なくなるので、大きなナプキンを持って行ったり、タンポンも用意したりと、余計に荷物ががさばってしまうという方も多いでしょう。
生理痛があるのは当たり前じゃない!
女性は初潮発来(最初の月経)から閉経まで、ほぼ月に1度の頻度で生理を繰り返しています。そのためか、痛みなどのつらさは仕方ないものだと思い込んでいる人が少なくありません。
ただ、本来は、生理痛はないのが正常な状態であって、痛みがあってもきちんと対処すれば抑えられるものです。また、生理の痛みは、背後に何かしらの病気があり、病気のサインとなっている場合もあるので、痛みを我慢するのはおすすめできません。
ライブに行くのが心配な痛みや出血過多は月経困難症かも
生理(月経)に伴って起こるお腹や腰の痛みなど、不快な症状を生理痛(月経痛)といいますが、症状が重く、日常生活に支障をきたしている場合は「月経困難症」に該当します。
もちろん、趣味を楽しむことができないほどの痛みも、月経困難症に当てはまるので治療をうけるべきです。月経困難症の症状としては、生理痛が強いことのほかに、腰痛、頭痛、お腹のはり、イライラなどもあげられるため、腹痛や出血量の多さ以外の生理時の症状にも目を向けてみましょう。
また、現代の女性は、月経回数が増加しているとされています。現代の女性は生涯で約450回の生理が来るとされていますが、100年ほど前の女性は、生涯で約50回しか生理が来ていませんでした。現代の女性のほうが月経回数が多いのは、栄養状態が良くなったことにより初経が早まっていることと、出産回数が減ったことがあげられます。月経の回数が増えると、月経困難症や子宮内膜症の増加に影響があると考えられているため、現代では昔よりも生理痛に悩む女性が増えていると言えます。
なお、月経困難症は全体の25%以上の女性に認められていますが、25歳未満の女性だけで見ると40%以上の方に月経困難症となるとされています。また、月経困難症と診断された女性は、将来の子宮内膜症の発症リスクが、月経困難症でない女性と比較して高いことが判明しています。
そのため、生理痛や整理に伴う悩みによって、趣味や毎日の生活を不便に感じることが多いという方は、年齢にかかわらず、産婦人科へ相談するといいでしょう。
月経困難症につながる子宮内膜症
月経困難症(器質性月経困難症)の原因一つとして「子宮内膜症」が挙げられます。
子宮内膜症は、子宮の内側を覆っている膜「子宮内膜」に似た組織が、子宮以外の場所に発生してしまう病気です。子宮内膜症を治療せずにいると徐々に悪化し、症状が強くなってくる傾向があります。
また、将来的に不妊やがんになってしまう可能性を高めるため、放置するのは危険です。子宮内膜症の症状として多いものは、生理痛が強いことのほかに、ふだんからお腹が痛む、お腹の左下が痛む、腰が痛い、骨盤や骨盤の奥が痛む、排便時に下腹部が痛むなど様々です。
受診によって、生理の痛みや出血が軽減できる可能性も高いため、単なる生理痛と思わず、早めの受診を心がけましょう。
つらい生理痛を軽減する方法
生理痛の対処法は、医療機関を受診するのがおすすめです。市販薬や体を温めるなどのセルフケアで対処する場合、生理痛の背後にあるかもしれない病気に気づけず、将来の不妊や婦人科疾患のリスクに繋がる可能性があります。
産婦人科を受診したことがない女性の中には「生理痛がしんどいということだけで病院に行っていいの?」と思っている方も少なくないようですが、全く問題ありません。毎日の生活や趣味をより楽しむためにも、一度近くの産婦人科へ行くのをおすすめします。
医療機関で受けられる治療
月経困難症の治療に処方される薬として、痛み止め、低用量ピル、漢方薬などがあります。
痛み止めは、痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)の産生を抑えるように働きます。
低用量ピルは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)が含まれている薬です。プロスタグランジンの産生を抑えることに加えて、排卵を抑えたり、子宮内膜が厚くならないように作用します。痛みの抑制目的だけでなく、子宮内膜症の治療にも用いられる薬です。一般的な月経周期に合わせて28日間周期で服用と休薬を繰り返す飲み方と、最長120日連続服用する飲み方があります。
例えば、最長120日連続服用する低用量ピルを利用した場合、最長で約4か月に1度の生理となるため、月経によってスケジュールを振り回されることが少なくなるでしょう。また、月経中の腰痛や腹痛などのつらい症状を緩和してくれるので、生理が来たとしても日常生活が過ごしやすくなるはずです。
漢方薬は、じっくりと体質を改善するように働きます。
このほか、薬の成分をゆっくり放出する合成樹脂を子宮の中に留置するという治療法もあり、性交渉経験のない女性でも使用できます。
自分でできる生理痛の工夫・対処方法
身体を温める
体を温めると生理痛に良いと言われています。カイロをお腹と背中にあて、体を冷やさないようにしましょう。また、湯銭に使ったり、シャワーを浴びるのもおすすめです。
生理の周期を知って前もって準備する
生理痛を市販の痛み止めで対処している人の場合は、基礎体温を記録しておいて次の生理日を予測し、生理が始まるタイミングで飲むと、痛くなってから飲むよりも効果的です。痛みのピークが来てから痛み止めを飲むよりも、痛みの前兆が来たタイミングで痛み止めを服用する方が、痛みを軽減できるとされています。
産婦人科への受診から診察までの流れ
婦人科を受診すると、まず問診票で症状などを尋ねられます。以前いつ生理が来たかや何日間出血があったかを記入するため、メモやカレンダーに残しておくといいでしょう。
また、問診票では、生理痛の原因を正確に把握するために、性交経験の有無の質問が含まれていることもあります。経験があってもなくても恥ずかしいことではないので、正しい診察のためにウソは書かないことが大切です。
婦人科では、問診に続いて内診が行われることが多いですが、性交経験がない場合は、器具などを膣内に挿入せず、お腹の上から検査をする場合も多いので安心です。
低用量ピルを服用することで好きなことにもっと熱中できる
自分の好きなことを楽しむために、産婦人科を訪れて生理の悩みを改善するのは、決してためらうことではありません。歯が痛くて歯医者に行くように、生理痛が重くて産婦人科に訪れるのは当然のことです。思い切って医師に相談してみましょう。きっとあなたにあった解決策、治療法がみつかるはずです。
生理痛や生理による出血量が軽減されれば、ずっと楽しみだったイベントをより楽しめるようになり、好きな洋服を着ることもできます。また、授業に集中しやすくなったり、部活をより全力で取り組めたりと、なりたい自分に近づけることができるでしょう。
また、生理痛の裏には、子宮内膜症などの疾患が隠れており、痛みを我慢すると不妊やガンといったリスクにつながる可能性があります。将来の自分のために、今のうちにきちんと診てもらったほうが安心です。痛みを我慢せず、思いっきり青春を楽しみましょう。