旅行中の生理がツラい・・・!
お出かけを100%楽しむために知っておきたい生理痛のこと
近づいてきた友人との小旅行。ずっと前から「いつか一緒に行こう」といっていた計画が、ようやく実現。思いっきり楽しんで仕事のストレスを発散するつもり。でも、どうやら旅行日程が生理の予定と重なりそうなのが気がかり。痛みを気にせず充実した旅行にするには、どうしたらいいの?
多くの女性が旅行中に生理になることを不安に思っている
「生理痛、みんなはどうしているの?」「私の経血量、多いのかな?」「生理のときに毎回、鎮痛薬を飲んでも大丈夫?」など、誰でも一度は生理についての疑問や不安を感じたことありますよね。定期的に訪れる生理だからこそ、正しく理解して、うまく付き合っていきたいですね。
でも生理のお悩みって、なかなか人には相談しづらいもの。
そこで、生理に関するいろいろな情報を解説する「生理痛のミカタコラム 」を開設しました!さっそくあなたの生理トラブルについて、見直してみましょう。
旅行中に生理がかぶるとしんどいことあれこれ
生理痛がつらくて全力で楽しめない
痛みがあると何をするのにもつらさが伴います。旅行先の美しい風景を楽しめなかったり、気になっていたホテルのディナーもなんだか食欲が出ないなんてことも…。生理痛がなければもっと楽しめたのにと悲しい気持ちになったことがある人も多いでしょう。
周りに心配をかけてしまう
痛みを我慢して楽しんでいるふりをしても、親しい友人にはすぐに伝わってしまうものです。友人が旅行の計画変更を提案してくれたり、心配をしてくれたりと何かと気をつかわせてしまうことにりと申し訳なく感じることもあるでしょう。
お風呂に入れない
景色を眺めながら、ゆっくり露天風呂につかるのも旅行の楽しみです。しかし生理が来てしまうと出血が気になって、ひとりだけ部屋のシャワーを使うことになります。友人たちがみんなでお風呂に行ってるのになんだか寂しい・・・なんてことも。せっかく楽しみにしていた温泉も、生理がきてしまうと楽しみが半減してしまいます。
ベッドを汚さないか不安
しっかりガードしていたのに、ベッドやふとんを汚してしまう場合もあります。旅先で寝具を汚してしまうと、ホテルや旅館の人に迷惑をかけてしまったり、気落ちして二日目を楽しめなくなったりと、旅行の思い出が残念に感じてしまうかもしれません。
恋人を萎えさせないか不安
女性同士の旅行なら生理の予定や悩みも相談しやすいものですが、、恋人との旅行となると、彼氏の気分を萎えさせてしまわないか心配になることも。生理中は感情がいつもより不安定になりがちなため、喧嘩しないか不安に感じる方も少なくないでしょう。
つらい生理痛は実は病気のサインかも
女性は初潮発来(初めての月経)からほぼ月に1回、閉経まで生理を繰り返すことになります。毎月のことなので、痛みなどのつらさは仕方ないものだと思い込んでいる人もいるでしょう。しかし、生理痛は本来ないのが正常な状態であり、痛みがあってもきちんと対処すれば抑えられるものです。我慢できない生理痛の背後には、何かしらの病気が隠れているかもしれません。
生理で旅行に支障があるなら月経困難症かも
強い生理痛や腰痛、頭痛、お腹のはり、イライラなどの症状によって、生活に支障が生じていたり、やりたいことを楽しめないといった状態は、「月経困難症」に該当します。医学的に治療すべき状態ですので、我慢せず、産婦人科を受診しましょう。
問診時には、つらい症状、困っていることをしっかり医師に伝えて、相談するのが大切です。もちろん、旅先での生理に関する悩みや、生理周期を整えるといった相談を目的に産婦人科を受診しても問題ありません。
なお、月経困難症は、何かしらの病気があって症状が現れている「器質性月経困難症」と、原因がはっきりしない「機能性月経困難症」に大別でき、前者はより治療の重要性が高い状態のため、自分が抱える生理痛の種類を知るためにも受診すべきです。
月経困難症の原因として多い「子宮内膜症」
子宮内膜症とは、子宮の内側を覆っている膜「子宮内膜」に似た組織が、子宮以外の場所に発生してしまう病気です。子宮内膜症が卵巣に生じた場合は「卵巣チョコレートのう胞」と呼ばれます。卵巣以外にできる場所も、通常は子宮の周辺のことが多いですが、まれには肺や腸にできることもあります。
子宮内膜症を治療せずにいると徐々に悪化し、生理痛の症状が強くなってくる傾向があります。また、将来の不妊やがんの可能性を高めるため、単なる生理痛と安易に放置するのは危険です。月経困難症の症状が引き起こされる原因が、子宮内膜症による場合、病気が進行するリスクを抑えるために、産婦人科での治療が推奨されます。
子宮内膜症がもたらすツラい症状
子宮内膜症の症状として多いものは、生理痛が強いことのほかに、ふだんからお腹が痛む、お腹の左下が痛む、腰が痛い、骨盤や骨盤の奥が痛む、排便時に下腹部が痛むなど様々です。また、不妊(妊娠を望んでいるのに妊娠できない状態が1年以上)の時期があったとすれば、子宮内膜症を含む産婦人科の病気の可能性が考えられます。
どれくらいの生理痛で病院に行っていいの?
生理痛に毎月のように悩まされている女性の中には、それがふつうだと思い込んでいる人も多くいます。しかし、生理中の痛みのために1回でも痛み止めを飲む必要があるのなら、月経困難症に該当すると考えられます。
日本では古くから、苦しみに耐えることを美徳とするような考え方がありますが、生理痛のつらさを我慢しても、良いことは何もありません。仕事や生活に影響が生じて、自分の楽しみが犠牲になるばかりです。病院を受診して治療を受けたほうが、ずっと楽になり、充実した時間を過ごすチャンスが広がります。
また、生理痛の背後には何らかの病気が隠れていることがあります。きちんと治療しないと、将来の不妊やがんなどのリスクが上昇してしまうかもしれませんので、単なる生理痛と放置せずに、自分の今と将来のためにも、1度受診してみるといいでしょう。
産婦人科での内診~薬の処方の流れ
産婦人科を受診すると、一般的にまずは問診または診察で症状を尋ねられます。この時、痛みに関することだけでなく、困っていることや不安があれば、的確に伝えてください。「生理の症状が辛く、旅行などの予定が楽しめない」といった悩みを打ち明けるのもいいでしょう。
問診のあとには、より詳しい検査によって、生理痛の背後に何か病気がないかを調べます。
産婦人科で処方してもらえるツラい生理痛を改善する薬
月経困難症の処方薬として、痛み止め、低用量ピル、漢方薬などがあります。
痛み止めは、痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)の産生を抑えるように働きます。
低用量ピルは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)が含まれている薬です。低用量ピルはプロスタグランジンの産生を抑えることに加えて、排卵を抑えたり、子宮内膜が厚くならないように作用します。そのため、低用量ピルは、痛みを抑えるだけでなく、子宮内膜症の治療にも用いられる薬です。一般的な月経周期に合わせて28日間周期で服用と休薬を繰り返す飲み方と、最長120日連続服用する飲み方があります。
最長120日連続服用する低用量ピルは、飲み続けると最長で約4か月に1度だけ生理がくるため、生理の回数が減らせます。また、出血量や出血がある日数も減少するので、生理によって旅行のスケジュールを変更しなければならなかったり、周囲に心配をかけるといった生理の悩み事を大きく解決できるでしょう。
最後に、漢方薬は、じっくりと体質を改善するように働きます。
このほか、薬の成分をゆっくり放出する合成樹脂を子宮の中に留置するという治療法もあります。治療方法は、医師と相談のうえで決定できるので、一度受診してみるといいでしょう。
生理痛を和らげると旅行やお出かけがもっと素敵に
痛みを我慢しながら旅行やお出かけにいったとしても、楽しさは半減してしまいます。
婦人科は、妊娠や出産だけでなく、生理痛に関する相談・治療も専門としていますので、「みんな生理に悩んでいるから仕方ない」と我慢せずに、受診してみるといいでしょう。
婦人科で治療をすると、生理痛が軽くなり、生理の不安に悩むことなく旅行やお出かけを思いきり楽しめるようになるかもしれません。
「生理に関するアンケート」調査概要
マイナビニュース・マイナビウーマン調べ- 調査対象:20歳~39歳の女性 マイナビニュース・マイナビウーマン会員 有効回答数370名
- 調査期間:2023年1月7日~10日
- 調査方法:WEBアンケート