生理の用語集
生理や、女性のからだに関する用語をまとめた「生理のミカタ用語集」です。
婦人科でよく使われる専門用語や、女性のからだのしくみを知るうえで、おぼえておいて欲しい言葉を解説しています。
分からない言葉を見つけたときは、すぐに調べて正しい知識を身につけて下さい。
「生理の用語集」で調べて、もっと詳しく知りたいと思うことがあったり、自分の症状に不安を感じることがあれば、ひとりで悩まずに、気軽に婦人科の先生に相談しましょう。
あ行
エストロゲン
卵胞ホルモンのこと。([卵胞ホルモン]の項を参照)
黄体ホルモン
子宮内膜を受精卵が着床しやすいように整える働きがある。乳房の発達、皮膚、骨、筋肉、脳、自律神経などの働きにも関係している。
黄体化ホルモン(LH)
脳下垂体から分泌されるホルモン。排卵前に分泌され、卵巣で成熟した卵胞を刺激して排卵を促す。黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモンを合わせて性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)と呼ばれる。
か行
過少月経
月経(生理)の出血量が非常に少ない状態。期間が1~2日で終わってしまう場合や、茶色のおりもの程度の出血しかない場合を過少月経と呼ぶが、出血量の明確な基準はない。
過多月経
月経(生理)の出血量が非常に多い状態。ふつう、140mlをいう。臨床的には患者さんの訴えで判断されるのでそれほど厳密ではない。結果として貧血になっている場合が多い。
基礎体温
体の機能が一番静かな状態の体温。通常、舌下タイプでメモリの細かい婦人体温計を使用し、目覚めた直後に起き上がらずに測る。
希発月経
月経(生理)周期の日数が39日以上の月経(生理)。
月経(生理)
25~38日の周期で、子宮内膜がはがれ落ち血液とともに体外へ排出されること。期間は約3~7日の日数が正常といわれる。
月経異常
月経(生理)の出血量、月経周期、月経時の痛み、月経時の精神状態などに異常があらわれること。
月経困難症
月経(生理)時にともなう腹部の痛み、腰痛、下痢、イライラなどが、日常生活に差し支えるほどの症状として出る場合を月経困難症と呼ぶ。
月経周期
月経(生理)の始まった日から、次の月経(生理)が始まる日までを一つの月経(生理)周期とする。正常な月経(生理)周期の日数は25~38日間(その変動が6日間以内)が目安。
月経不順
月経(生理)の周期、日数、出血量が正常な範囲でないこと。
月経前不快気分障害(PMDD)
月経前症候群(PMS)の中で、日常生活に支障をきたすほど強い症状のもの。主にうつ気分、不安感、怒りの感情などの精神症状が強くみられる。
月経前症候群(PMS)
月経(生理)開始予定日の3~10日間のあいだであらわれる心身の不調のこと。イライラ、無気力、冷え、頭痛などさまざま症状があるが、月経(生理)開始とともにおさまる。
更年期
卵巣の働きが衰えはじめるころから、閉経をむかえた後、ホルモン量の変化に体が順応して安定した状態になるまでの期間。閉経をはさんで前後5年間をいう。
更年期障害
更年期にあらわれるさまざまな心身の不調。おもな症状は、イライラ、不安感、顔やからだのほてり、発汗など。症状の強さや期間には、個人差がある。
さ行
視床下部
脳にある、ホルモンを調整するところ。性腺刺激ホルモン放出ホルモンなど数々のホルモンを分泌する。体温調節、本能行動(食べる、飲む、睡眠、性行動など)、情緒行動(怒り、不安など)もコントロールしている。
子宮
女性の内性器。上部は卵管、下部は腟につながっている。妊娠した時に胎児を約10ヶ月育てる器官。
子宮外妊娠
卵管、卵巣や腹腔など、子宮以外の場所に受精卵が着床すること。
子宮下垂
子宮が下降して腟内にとどまっている状態。さらに下降し、腟から体外に脱出すると子宮脱と呼ばれる。
子宮鏡
子宮内部を観察する内視鏡(細い管の先にカメラがついたもの)。
子宮筋腫
子宮筋層にできる良性の腫瘍。子宮の外側に突出する「漿膜下筋腫」、内側に突出する「粘膜下筋腫」など発生する場所で症状は異なる。
子宮頸がん
子宮の入り口付近、子宮頸部にできるがん。性交時に感染するヒトパピローマウイルスが原因であることが明らかになっている。
子宮腺筋症
子宮筋層内に、子宮内膜のような組織が増殖する病気。月経(生理)痛、過多月経をともなうことが多い。
子宮体がん
子宮の内側にある子宮内膜から発生するがん。子宮内膜がんとも呼ばれ、50~60歳の女性に最も多くみられる。
子宮内膜症
子宮内膜のような組織が、子宮以外の場所に増殖する病気。月経(生理)痛、過多月経をともなうことが多い。不妊の原因になることもある。
初経
初めての月経(生理)のこと。日本人の初経の平均年齢は12歳。10歳未満は早発月経、15歳以上は遅発月経といわれる。
初潮
初経のこと。([初経]の項を参照)
生理
月経の日常用語。女性の生理的な現象という意味で「生理」と呼ばれている。
た行
腟鏡
腟の中に挿入して、内部の状態を観察する器具。おりもの、ポリープ、出血の有無などを調べる。
チョコレートのう胞
卵巣に子宮内膜のような組織が増殖し、古い血液がたまった「のう胞」と呼ばれるものができる病気。のう胞の中にチョコレート色の古い血液がたまっているので、チョコレートのう胞と呼ばれる。骨盤内にある周辺の臓器(子宮、卵管、大腸など)と癒着してしまうことが多いとされている。
な行
脳下垂体
脳の中心部にある内分泌器官。視床下部から分泌されたホルモンの刺激を受けて、多くのホルモンを分泌する。
は行
排卵
成熟した卵胞が刺激され、卵子を排出すること。
排卵日
月経(生理)周期の中で、排卵がおこる日のこと。
避妊
薬、用具、器具、手術などにより、妊娠を防ぐこと。
ピル
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を含んだ薬。排卵を抑制し、おもに避妊の効果をもつ。さまざまな種類があり、服用には医師の処方箋が必要。
頻発月経
月経(生理)周期の日数が24日以内の月経(生理)。
腹腔鏡
腹腔内に挿入するために用いる、先端にカメラがついた器具。全身麻酔でおへその下に小さな穴を開けて挿入する。腹腔鏡と共に鉗子(かんし)などを挿入して、手術(腹腔鏡下手術)を行うこともある。
不正出血
月経(生理)以外に子宮や腟から出血すること。
不妊
妊娠を希望しているにもかかわらず、避妊をしない状態で一定期間(約1年間)が過ぎても妊娠しないこと。
プロゲステロン
黄体ホルモンのこと。([黄体ホルモン]の項を参照)
プロスタグランジン
痛みなどの作用を引き起こす物質。おもな鎮痛薬は、プロスタグランジンの産生を抑えることにより、痛みをやわらげている。
閉経
卵巣の働きが衰えて、月経(生理)が停止すること。日本人女性の閉経年齢は50.5歳といわれている。
ま行
無月経
月経(生理)がないこと。満18歳になっても月経が始まらないことを「原発性無月経」、これまでにあった月経が3ヵ月以上止まってしまうことを「続発性無月経」という。
無排卵月経
排卵はしていないが、ホルモンバランスの乱れから月経(生理)予定日に出血すること。正常の月経(生理)とほとんど変わらない出血の場合もある。
や行
癒着
傷や炎症によって、本来は離れているべき臓器や粘膜がくっついてしまうこと。
ら行
卵巣
親指大の大きさの、女性の内性器。卵子を作り出す機能を持ち、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する役割もある。
卵巣がん
卵巣にできるがん。一般的に40代以降から多くなるといわれている。初期は自覚症状がない場合が多い。
卵胞ホルモン
エストロゲンのこと。主に卵巣から分泌される女性ホルモンで、「エストロン」、「エストラジオール」、「エストリオール」を総称して「エストロゲン」と呼ばれる。子宮内膜を増殖させて厚くする働きがある。
卵胞刺激ホルモン(FSH)
性腺刺激ホルモンの一種。卵巣に働きかけ、ホルモンの分泌を促し、卵胞を成熟させる。