体験、ドキドキの婦人科デビュー!
受診準備から診察までをご紹介
みなさん、婦人科ってどんなイメージがありますか?
欧米では若いころから婦人科のかかりつけ医をもつことは一般的ですが、日本では妊娠・出産を扱う産婦人科のイメージが強く、受診のハードルが高いようです。
その証拠に子宮頸がん検診の受診状況をみても、アメリカやイギリスでは約80%と高い受診率であるのに対し、日本ではたったの40%程度。日本人女性(20〜60代)の半数以上が検診を受けていなんです...。
「婦人科ってどんなことするの?」「内診って痛いの?」など、婦人科受診への不安や心配、たくさんあると思います。
今回は、そんな不安が少しでも軽くなるよう、婦人科に受診する前の準備から診察の流れまで、詳しくご紹介します。
受診は、受診の前から始まっている!?
婦人科受診はとっても緊張するけど、スムーズに診察が終わるよう、できれば準備万端で臨みたいですよね。
事前に準備しておくことや当日の服装など、みんなが気になることをまとめてみました。
受診前の準備は?
その1
症状や生理の状況をメモにまとめておく
問診のときにきちんと伝えられるよう症状や生理の状況を整理して、メモにまとめておきましょう。
その2
前日のセックスは控える
内診がある場合には、診察の妨げになることがあるので、控えましょう。
その3
膣のなかまで洗わないように
おりもの検査をする場合もあるので、内診があるからといって必要以上に膣のなかまで洗わないようにしましょう。
受診当日の服装、持ち物は?
その1
着替えやすい服装で
下着を脱いで診察するので、パンツスタイルよりも、スカートのほうが着替えやすいでしょう。ゆったりとしたフレアスカートは脱がずに診察できるのでおススメです。もちろんパンツスタイルでも全く問題は無いので、あまり心配せずに受診してください。
その2
メイクは控えめに
顔色や爪の色から貧血をチェックすることもあります。なるべく控えめのメイクで、できればマニュキュアは塗らないようにしましょう。でも既に、ジェルなどでネイルされている場合は、敢えて取る必要はありませんよ。
その3
保険証、生理状況のまとめメモのほかにナプキンもあると安心
検査によっては多少出血したりすることがあるので、予備のナプキンがあると便利でしょう。また、基礎体温表を記録している人は忘れずに持っていくようにしましょう。
いざ、受診へ!
これで準備はOKだし、いよいよ婦人科へ!
今回、アイさんが婦人科デビューするそうなので、その様子を一緒にみてみましょう。
アイさん
20代後半、独身。IT企業に勤務。
10代のころから生理痛は重いほうだったが、最近ますますひどくなり、鎮痛薬が効かないことも。
仕事が忙しく、生理前のPMSも悩みのひとつに。
インターネットでみた子宮内膜症の症状が自分にもあてはまり、心配になって受診を決意。
待合室にて
(受付で問診票を渡され、記入中)
アイさん
んーっと、初めて生理がきたのは...、そうだメモしてきたんだっけ。
よし!書き終わった。
(まとめメモのおかげで問診票をスムーズに記入し、ドキドキしながら待つアイさん。名前を呼ばれ、診察室へ)
診察室にて問診
先生
(問診票を見ながら)生理痛がひどいのですね?いつからですか?
アイさん
中学生のころからひどかったのですが、去年くらいからますますひどくなって。最近では、経血量も増えてきています。仕事を始めてから特に、生理前に気分や体調が悪くなるのも気になっています。
先生
生理痛がつらいとき、お薬を飲んでいますか?
アイさん
はい、市販の鎮痛薬を飲んでいます。でも最近、それでも痛みが強くて...
先生
それはつらいですね。まずは生理痛の原因を探るためにも、子宮や卵巣の状態を詳しく調べましょう。
先生
内診と膣内からの超音波検査を行いましょう。やったことありますか?膣内からのほうがより詳しく調べられますが、初めてで抵抗があるなら、お腹の上から超音波検査することもできますよ。
アイさん
(えーどうしよう、迷う〜! でもせっかくきたからなぁ......うん、決めた!)
じゃあ、内診でお願いします。
Point:受診のハードルをあげている原因、「内診」について
内診は婦人科においてとても重要な検査です。そのため診察のときには必ず内診を行うと思っている方も多いようですが、必ずというわけではなく、必要に応じて行われます。
また性交経験がない方では、一般的に内診の代わりにお腹の上からの超音波検査を行います。その他の方でも、内診や膣内からの超音波検査に抵抗がある場合には、事前に先生に相談してみてください。
ついに内診台へ
看護師
下着を脱いで、内診台へどうぞ。スカートはそのままで大丈夫ですよ。汚れないよう上までまくってくださいね。
先生
まず指で子宮や卵巣の状態をみます。体に力が入るとうまく検査できないので、足の力を抜いて深呼吸してなるべくリラックスしてくださいね。
アイさん
は、はい。
(あ〜ついに!落ち着いて、深呼吸、深呼吸っと)
先生
そうそう、そんな感じ。じゃあ続いて、超音波検査をしますね。細⻑い器具が入りますが、痛くないので大丈夫ですよ。
先生
・・・はい、おつかれさまでした!では検査の結果を診察室でご説明しましょう。
アイさん
あ、はい、ありがとうございました。
(ん、もう終わり??思ってたより痛くなかったし、恥ずかしさを感じているヒマもなく終わったわー。思い切って受診して気分もスッキリ!)
婦人科ではいろいろな検査の結果から、総合的に診断
アイさん、無事に婦人科デビューできたみたいですね。
内診や超音波検査のほかにも、患者さんの症状から必要な場合には、血液検査やおりもの検査、細胞診なども行います。
婦人科で行う検査
- 血液検査腫瘍
マーカーの測定や貧血の有無を調べます - 尿検査
妊娠の有無や尿路感染症にかかっていないかを調べます - おりもの検査
細菌や微生物の有無を調べます
- 細胞診
子宮の細胞をこすりとって、がん細胞などの異常な細胞がないかを調べます - MRI検査
磁気と電磁波を利用して体の内部を断面で撮影します。子宮や卵巣の状態を詳しく調べることができます
婦人科では、問診といろいろな検査結果を総合的に判断して診断してくれます。
“案ずるよりは産むが易し”で、アイさんのように生理で気になることがあったら、一度婦人科を受診してみてはいかがでしょうか。
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