生理痛の薬って痛み止めだけじゃないの?
病院で行う生理痛の治療とは
みなさんは生理休暇を取得したことがありますか?
生理休暇って比較的新しい制度のイメージがありますが、実は1947年4月、70年以上も前に労働基準法で定められた制度なんです。
ただ、日本女性の生理休暇の取得率はとても低く、厚生労働省の調査によると、生理休暇を請求した女性従業員の割合は0.9%とのこと※。
昔からある制度でもなかなか活用されていないのが実情のようです。
生理痛がつらいときは無理をしないのが一番ですが、今は生理痛が治療できる時代です。生理の対応について正しい知識を身につけて、あなたに合った生理痛のケアをみつけましょう。
今回は病院で行う生理痛の治療についてご紹介します。
※厚生労働省:平成27年度雇用均等基本調査より
病院で行う生理痛の治療、どんな治療法があるの?
生理痛を病院で治療???なんて思うかもしれませんが、生理痛をガマンしてもよいことはひとつもありません。
特に月経(げっけい)困難症(こんなんしょう)といわれる、日常生活に支障をきたすほどのひどい生理痛は、きちんと治療を行うことで痛みが改善し、生理のときのあのつらさを軽くしたりできるんです。
さっそくどんな治療法があるのかみてみましょう!
月経困難症では、鎮痛薬や女性ホルモン薬など、お薬による治療が中心になります。
鎮痛薬
下腹部痛や腰痛・頭痛などの痛みの軽減に使います。早めの服用が効果的です。
女性ホルモン薬
① 卵胞・黄体ホルモン混合剤(LEP)
- 低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモン、2種類の女性ホルモンが含まれており、避妊目的のOC(ピル)と区別して、治療目的のお薬はLEP(レップ)と呼ばれます。
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排卵や子宮内膜が厚くなるのを抑えることによって痛みの物質(プロスタグランジンなど)の過剰な産生を抑え、生理痛や腰痛などの症状を改善します。・お薬ごとに服用方法が異なり、28日間の服用/休薬のサイクルを繰り返し、周期的な生理(出血)が維持されるお薬と、長期間の連続服用により月経の回数そのものが結果的に減る薬もあります。
② 黄体ホルモン製剤
- 黄体ホルモンのみが含まれています。
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子宮内膜が厚くなるのを抑えて、経血量を減らしたり、生理痛を緩和します。
③ 子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)
- 子宮内に装着するお薬です。子宮内に持続的に放出される黄体ホルモンが子宮内膜に作用し、厚くなるのを抑えることによって、経血量を減らしたり、生理痛の症状を改善します。
抗不安薬
イライラ、憂うつ、不眠、不安感など、精神的な症状が強い場合に使います。
その他の薬
漢方薬、利尿剤、ビタミン薬なども症状に合わせて使います。
器質性月経困難症では、原因となる病気の治療を
ただし、月経困難症のなかでも原因となる病気がある、器質性(きしつせい)月経困難症の場合は、治療法が変わってくることもあるので気をつけて。
器質性月経困難症では、原因となる病気(子宮内膜症、子宮筋腫など)の治療が必要になることがあります。
子宮内膜症や子宮筋腫の治療は、主にお薬を使う薬物治療と、手術を行う外科的治療として保存手術と根治手術があります。
保存手術
病巣だけを摘出したり、縮小させたりする手術です。
根治手術
子宮、子宮と卵巣を摘出する手術です。
以前は、お腹を切る開腹手術が一般的でしたが、最近は保存手術、根治手術ともに内視鏡(腹腔鏡、子宮鏡)をつかった手術が増えています。腹腔鏡下手術の場合は、おへその周りに数ヵ所穴を開けてから腹腔鏡や器具を挿入し、病巣を摘出します。
どんな治療を行うかは、症状の強さ、病巣の大きさ、年齢、妊娠の希望などを踏まえて、お医者さんとよく相談しながら決めていきます。
教えて!治療についてのよくある疑問
生理痛が病院で治療できることはよくわかったけど、まだまだ気になることはたくさんありますよね。
みなさんが疑問に思うことに、しっかりお答えします!
女性ホルモン剤って、 薬局で購入できるの?
鎮痛剤や漢方薬などは薬局やドラッグストアなどでよく見かけますが、 女性ホルモン剤を見かけることは無いですよね? そう、ホル モン剤は医師の処方箋が必要な薬です。 婦人科を受診して、 あなたの症状にあった薬を医師と相談して選ぶことができますよ。
ホルモン剤を飲むと太るって本当?
過去には、ホルモン剤は“飲むと太る”といわれていたこともありました。今のホルモン剤では、体重に影響することはほとんどない ので大丈夫ですよ。
子宮内膜症や子宮筋腫では、必ず手術するの?
必ず手術が必要というわけではありません。
症状の強さ、病巣の状態、 妊娠の希望、年齢などを踏まえて、治療法を選択します。 治療に対する要望がある場合には、お医者さんに伝えてくださいね。
もしも手術で子宮を失うと、 どうなるの?
子宮筋腫などで子宮を摘出した場合は、卵巣は残っているので更年期症状があらわれることはありません。 子宮内膜症などで子宮と 卵巣を摘出した場合は、 更年期症状があらわれたりすることもありますが、 ホルモン剤を飲むことで症状を軽くできますよ。
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