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生理痛、みんなガマンしているもの?
実は病気が隠れていることも

ひどい生理痛が不妊症に関係する場合があることを、ご存じですか?
ひどい生理痛の陰には婦人科系の病気が潜んでいることもあるからなのです。
今回は、ひどい生理痛と、その原因となる病気についてご紹介します。

生理痛でいつもどおりに活動できない…それ「月経困難症」かも

「仕事を休むほど生理痛がつらい」
「生理痛がひどくて起きていられない」
「生理痛のせいで仕事が手につかない」

なんてことありませんか?もしかしたら、それは月経(げっけい)困難症(こんなんしょう)かも…。

月経困難症ってあまり聞いたことがないですよね。月経困難症とは、日常生活に支障をきたしてしまうほどの「ひどい生理痛」のこと。月経困難症には、特にその他に原因となる病気がない「機能性(きのうせい)月経(げっけい)困難症(こんなんしょう)」と、原因となる病気がある「器質性(きしつせい)月経(げっけい)困難症(こんなんしょう)」の2つのタイプがあります。

この2つのタイプ、なりやすい年齢などにも違いが。機能性月経困難症は、10代の女子に多く、年を重ねるほど生理痛が弱まる傾向が、もうひとつの器質性月経困難症は、20代以降に多く、年を重ねるほど生理痛が強まる傾向があります。
つまり、20代、30代になって急に生理痛が強くなる場合は、原因となる病気が隠れているかも…ということに。

生理痛でいつもどおりに活動できない…それ「月経困難症」かも

月経困難症の原因となる病気の正体は?

器質性月経困難症の原因となる病気は、主に「子宮内(しきゅうない)膜症(まくしょう)」「子宮(しきゅう)筋腫(きんしゅ)」「子宮(しきゅう)腺筋症(せんきんしょう)」の3つ。
特に「子宮内膜症」は、働く女子世代でなりやすいので、忙しさに追われて病気のサインを見逃さないように気をつけて!
さっそくこの3つの病気について知っておきましょう。

子宮内膜症

こんな病気

子宮の内側をおおっている粘膜を子宮内膜といいます。
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が、卵巣や腹膜といった子宮の外にできてしまう病気のこと。
生理のたびに、この組織が増殖と剥がれ落ちるのを繰り返し、炎症などを引き起こします。

主な症状

よくみられるのが強い生理痛、その他には腰痛、性交痛など。

子宮内膜症
子宮内膜症

子宮腺筋症

こんな病気

子宮内膜に似た組織が、子宮筋層にできてしまう病気のこと。
1子宮内膜症と似ていますが、大きな違いは子宮内膜症では「子宮以外のところ」、子宮腺筋症では「子宮」に組織ができるところです。
生理のたびに、子宮筋層内で増殖と剥がれ落ちるのを繰り返し、病気が進むと子宮筋層が厚くなります。
子宮内膜症や子宮筋腫が合併していることも。

主な症状

強い生理痛や経血量の増加、貧血など

子宮腺筋症
子宮腺筋症

子宮筋腫

こんな病気

子宮筋層にできるこぶのような良性の腫瘍のこと。
腫瘍といっても、がん(悪性の腫瘍)ではありません。
筋腫がどの場所にできるか、大きさや数によって症状のあらわれ方が異なります。
筋腫が大きくなると周りの臓器を圧迫することも。

主な症状

よくみられるのが経血量の増加と強い生理痛。
不正出血(生理のとき以外の出血)や貧血がみられることも。

子宮筋腫
子宮筋腫

月経困難症を放っておくとどうなるの?

ひどい生理痛の陰には病気が隠れているかもしれないこと、おわかりいただけましたか?
これらの病気、放っておくとどうなるのでしょう?

子宮内膜症は女性の約10人に1人にみられ、最近では20〜30代の女性に増えているので、気になる生理痛があれば要注意。この病気は、生理がある間は進行してしまいます。放っておくと生理痛がもっとひどくなったり、生理のとき以外にも腹痛や腰痛があることも。
そして問題なのは、不妊症の原因になる場合もあるということ。子宮内膜症患者さんの30〜50%は不妊症ともいわれています。妊娠・出産といったライフプランにもかかわる病気なので、早期発見・早期治療がとても大切です。今は妊娠の予定が無くても、気になる痛みがあれば一度、婦人科を受診しておいた方が安心ですね。

その他、子宮筋腫は、30歳以上の女性なら3人に1人はもっているといわれているくらいよくみられるもの。症状がなくて、筋腫も小さければ、そのまま様子をみますが、定期的な診察は忘れずに。筋腫が大きくなると、周りの臓器を圧迫して便秘や排尿障害がみられるようになります。40歳以上になると子宮腺筋症が多くなります。腺筋症は、強い生理痛と、とても多い経血量から貧血の症状が出る人も多く治療が必要です。

気になる症状がある方は、一度、婦人科を受診してくださいね!